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大切な時間・・・(2)

まだまだ残暑の厳しい中、手術日を迎えた。

麻酔で全部吐き出してしまう恐れがあるため、
このクソ暑いのに前夜の12時から完全絶食。

水さえ与えてやれなかったのは本当に辛かった。












朝イチで病院へ。

こっちの不安を感じ取ったのか、姫は小刻みに震えている。
「すぐ迎えに来るからね」
そう言って、姫を先生に託した。

家に帰って来ても当然落ち着かない。何も手につかない。
時間が本当にゆっくりと流れた。



お昼前、病院から連絡が来た。

「無事手術は成功、まだ麻酔から覚めたばかりで少しフラフラしているが大丈夫です」
電話口で思わずガッツ・ポーズ。

術後の経過が良ければ2~3日中に退院。
しかし何か問題(吠えたり暴れたり)があればまた連絡します、との事。

お泊りの経験は今までに2回、カミさんの実家に預けたことがあるだけ。
でも姫は人間大好きだからきっと大丈夫。
それよりもオイラはその間夜眠れるのだろうか?
淋しくておかしくなっちまわないだろうか?
とりあえず眠れなくても明日の朝イチで面会に行こう。
そんな心配ばかりしていた。

夕方、「この時間に電話が無いから大丈夫そうだね」なんて話してた矢先に電話が鳴る。

「不安なのか吠えて仕方がないので迎えに来て下さい。ストレスにもなりますし」

受話器越しに姫の吠える声が聞こえるほどだった(爆
・・・さすがは姫。

大急ぎで迎えに行くと、姫は想像の100万倍元気。
看護士さんのリードを引っ張り、シッポブンブンでこっちに向かって来た。
でもお腹には痛々しいバンテージがグルグル巻きだ。

家に帰っても姫は元気。
さすがに少しフラフラしているように見えたけど、お腹を気にしつつも元気。
この日の夜は水をほんの少し、フードは抜き。辛い。悲しい。
しかし何事も無かったかのように眠ってくれた。良かった。

翌朝はフードも水も解禁。食欲バリバリ。
姫が小さかった頃のように、食べ終わるまでそれを眺めた。その姿が愛しかった。
その後、術後初めてのオシ〇コを見て一安心(笑

昼間は多少ダルそうに過ごす。そりゃそうだよね。
夕方、フードを食べて術後初ウ〇チ。チョー安心(爆

比較的大人しかったのは当日と次の日まで。
3日目には相変わらずお腹は気にするものの、手術前のように元気一杯。
バンテージがズレるので大変だった。



1週間後、病院で抜糸と病理検査の結果を聞きに行く。
しかしタイミングが悪く、オイラはその日試合だった。
試合をキャンセルしようとも思ったが、
カミさんに「大丈夫だから頑張ってきて」と背中を押され出掛けて行った。
まぁ、オイラがいてもいなくても結果はひとつだから、とも(爆

集中力を欠くままラウンドを終え、アテスト後すぐにカミさんに電話。





結果は「悪性」、所謂「癌」だ。
近くのリンパ節への転移も認められる。





目の前が真っ暗になった。
しばらくロッカールームの椅子から立ち上がれなかった。
とにかく事故だけは起こさないように、それだけを考えて家に帰った。



何とか無事家に着き、玄関で出迎えてくれた姫を見た瞬間、涙が溢れた。

どうして姫が・・・どうして・・・。
どうしてヘビースモーカーで大酒呑みのオイラじゃなくて姫なんだ・・・。
姫が一体何をしたというんだ。
代われるものなら代わってやりたい。代わりたい。



その日の夜は何も食べられなかった。
ただひたすら酒を飲んだ。
泣きながら、ただひたすら酒を飲んだ。



あんなに泣いたのはいつ以来だろう。
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by camepapa | 2012-10-24 20:27 | ドッグ・ライフ
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